はじめに
角交換四間飛車は角道を止める四間飛車とはまた違った指し回しを要求される戦法です。
違う感覚が要求されるのは振り飛車側に限ったことではなく、居飛車側としてもノーマル四間飛車とは戦略を切り替える必要性があります。
今回の記事では将棋倶楽部24のJKishi18gouの将棋を題材として、対角交換飛車の指し方を問題形式で学んでいきたいと思います。
対角交換四間飛車の問題集
問題形式となっています。「以下の進行」の部分をクリックorタップすると解答を見ることができます。
問題その1
開始日時:2018/05/10 15:04:55
棋戦:R対局(早指)
先手:JKishi18gou(3157)
後手:後手
28手目△7三桂と桂を跳ねた局面です。
まだしばらく駒組みを進める順もありますが、ここで仕掛ける一手があります。
▲5五角(下図)が仕掛けを決行する一手です。
以下△4四歩には▲6四角△6三金に▲6五歩(参考図)として先手有利です。
角をすぐに逃げずに強く戦うのが好判断です。
本譜は▲5五角に対して△6三金としましたが、以下▲2四歩 △同 歩 ▲3三角成 △同 桂 ▲2四飛 △5四歩▲2一飛成(下図)と進んで敵陣に龍を作ることに成功しました。
問題その2
開始日時:2018/05/13 00:02:14
棋戦:R対局(早指2)
先手:JKishi18gou(3173)
後手:後手
▲2四歩△同歩と進んだ局面です。
ここから攻めをつなげていきます。
▲3一角 △3二飛 ▲5三角成(下図)が攻めをつなげる手段です。
▲3一角に対して△5二飛は▲2四飛(参考図)で飛車先を突破できるので先手優勢です。
本譜は▲5三角成から△同 金 ▲同桂成 △6五歩 ▲2四飛 △2二歩▲5四成桂(下図)と進み先手成功となりました。
問題その3
開始日時:2018/05/13 10:09:26
棋戦:R対局(長考)
先手:JKishi18gou(3173)
後手:後手
後手が△4五歩▲同歩△同飛と4筋の歩を交換してきた局面です。
ここはチャンスです。好機を逃さないようにしましょう。
▲1八角(下図)が好打の角打ちです。
▲1八角に対して△4二飛は▲6三角成として馬を作ることができます。
本譜は△6五飛と逃げましたが、▲5六銀 △6四飛 ▲5五銀 △6五飛から▲5六歩(下図)として、次の▲7七桂が受けにくく先手の角打ちからの構想が見事に決まりました。
問題その4
開始日時:2018/05/20 01:34:46
棋戦:R対局(早指2)
先手:JKishi18gou(3188)
後手:後手
後手が△4三金と上がったところですが、これは隙が生じました。
▲2三角(下図)が後手陣の欠陥をついた一手です。
▲2三角に対して①△1四角は▲同角成△同歩▲2三角、②△1二角も▲同角成△同香▲2三角があります。
また、③△2二飛も▲4一角成ならば△2四飛で後手有利ですが、▲3四角成△同金▲2三銀で先手有利です。
▲2三角に本譜は△5二角としましたが、以下▲3四角成 △同 金 ▲2三歩成(下図)と進んで先手が指しやすくなりました。
問題その5
開始日時:2018/05/29 16:12:28
棋戦:R対局(早指)
先手:JKishi18gou(3208)
後手:後手
先手が▲7四歩△同歩▲同銀と銀を進出させたのに対して後手が△7三歩とした局面です。
ここから7手先の局面が読めるでしょうか。
▲8三銀成 △同 玉 ▲6五角 △7四歩 ▲4三角成 △同 金▲3二銀(下図)と進みました。
銀を逃げずに▲8三銀成と攻め込むのが好判断です。
以下△同玉に▲6五角が継続の攻めで、△7四歩に▲4三角成~▲3二銀で飛車金取りを掛けて攻めが成功しました。
角交換四間飛車に対しての攻めのまとめ
- ▲5五角は6四の歩取りと▲2四歩~▲3三角成の攻め筋を狙ってよく出てくる筋です。いつも成立するとは限らないですが、チャンスがあれば決行しましょう。
- ▲4五桂~▲3一角も常とうの攻め筋です。成立するかは局面にもよりますが、2筋を突破できるのは大きいです。
- △4五歩▲同歩△同飛としてきた場合、後手の玉が8二まで来ていると6三の地点に利きがありません。よって▲1八角という手段が生じます。すぐに▲4六歩と打つのではなく、形勢をよくできそうならば▲1八角といった手段も考えてみましょう。
第二回に続きます。