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四間飛車大山流△4一金型の急所

はじめに

前回の記事では大山流△4一金型に対して居飛車側が棒銀に出た将棋を検討していきました。

四間飛車の棒銀対策ー大山流△4一金型ー

今回の記事では△4一金型に対して居飛車側が棒銀以外の戦い方をした将棋を見ていきたいと思います。

四間飛車大山流△4一金型の実戦例

対▲4六銀急戦

動く将棋盤は以下のリンクから

https://shogi.io/kifus/236688

開始日時:2018/07/25 17:33:10
棋戦:R対局(早指2)
先手:先手
後手:Hefeweizen(3136)

(初期局面)

(初手からの指し手)

▲2六歩 △3四歩 ▲7六歩 △4二飛 ▲4八銀 △4四歩(途中図)

▲6八玉 △6二玉 ▲2五歩 △3三角 ▲7八玉 △9四歩▲9六歩 △7二銀 ▲5八金右 △3二銀 ▲5六歩(途中図)

△4三銀 ▲6八銀 △7一玉 ▲5七銀左 △8二玉 ▲6八金上 △6四歩▲3六歩 △5四歩 (下図)

先手の▲5七銀左急戦に対して後手は△4一金型で待機します。

(上図からの指し手)

▲4六銀 △3二金 ▲3五歩 △4五歩(下図)

前回の記事では▲3七銀として棒銀に出ました。今回の将棋では▲4六銀として攻めていきます。

対する後手は△5二金左とするのでは通常形に戻ってしまうので、△4一金型を生かして△3二金と上がります。

そして▲3五歩には△4五歩として切り返します。

(上図からの指し手)

▲3三角成 △同 桂 ▲5七銀引 △4四角 ▲6六歩 △3五角(下図)

先手は▲3三角成△同桂に▲5七銀引と銀を引き上げます。

▲5七銀引で▲3四歩は以下△4六歩 ▲3三歩成△同金▲5三角△3二飛▲6四角成△4七歩成▲同銀△6三歩▲3七馬△3九角▲3八飛△8四角成(参考図)と進んで難しいながら後手やや良しです。

▲5七銀引には△4四角が急所の一手で、▲6六銀、▲6六歩、▲6六角、▲7七桂いずれに対しても△3五角と対応します。

(本譜局面図再掲)

(上図からの指し手)

▲3七銀 △4一飛 ▲3六銀 △4四角▲2四歩 △同 歩 ▲3七桂 △5五歩(下図)

△4四角~△3五角が好手で後手が一本とった形です。

先手は▲3七銀~▲3六銀として角を追いに行くくらいですが、後手は冷静に△4四角と引いておきます。

▲2四歩△同歩に▲同飛は△5五歩▲同歩△2三歩▲2八飛△3五歩(参考図)で後手優勢です。

Check

先手としては▲2七銀と引かされるのがつらい形です。

本譜は▲2四歩△同歩に▲3七桂ですが、やはり△5五歩と中央から動いていきました。

(本譜局面図再掲)

(上図からの指し手)

▲7七角 △5一飛 ▲4五桂 △5六歩▲4六銀 △6五歩(下図)

△5五歩に▲同歩は△同角▲3八飛△3五歩▲5六歩△3六歩▲5五歩△5一飛(参考図)と進んで後手有利です。

ポイント

後手は角は取られましたが、3七の桂馬は取れる格好ですし先手の形が悪いので後手有利です。

本譜は△5五歩に対して▲7七角と辛抱しましたが、△5一飛~△6五歩と自然に攻めていき後手が勝ちやすい将棋です。

この将棋の総棋譜は以下から


対▲4六歩

動く将棋盤は以下のリンクから

https://shogi.io/kifus/236698

開始日時:2018/07/30 13:02:01
棋戦:R対局(早指2)
先手:先手
後手:Hefeweizen(3155)

(初期局面)

(初手からの指し手)

▲7六歩 △3四歩 ▲2六歩 △9四歩 ▲2五歩 △4二飛 ▲9六歩 △3三角 ▲4八銀 △3二銀 ▲6八玉 △6二玉▲7八玉 △4四歩(下図)

もう一局違うケースの△4一金型の将棋を見ていきます。

(上図からの指し手)

▲5六歩 △7二銀 ▲5八金右 △6四歩 ▲3六歩 △7一玉 ▲6八銀 △8二玉 ▲5七銀左 △4三銀(下図)

後手はやはり△4一金型で待機し、左金の動きをギリギリまで保留します。

(上図からの指し手)

▲6八金上 △5四歩 ▲4六歩 △3二金(下図)

▲6八金上には△5四歩として待機します。ここで前回の記事では▲3七銀、前項では▲4六銀の将棋を見てきましたが、今回は▲4六歩の将棋を見ていきます。

▲4六歩には後手としてもいろいろな対応策が考えられるところです。

候補手としては①△5二金左②△7四歩③△3二金などが考えられます。

本譜は△3二金としました。△4一金型で待機してきたのを生かす一手です。

(上図からの指し手)

▲3七桂 △4一飛 ▲1六歩 △6三銀 ▲4七銀 △7二金(下図)

▲3七桂には△5二銀(参考図)も有力です。

ポイント

以下△6三銀左~△7四歩のように駒組みします。

本譜は△4一飛としてから△6三銀~△7二金として木村美濃に組みました。

木村美濃は△3二金型と相性が良い構えです。

(本譜局面図再掲)

(上図からの指し手)

▲6六銀 △7四歩▲5五歩 △同 歩 ▲同 銀 △5四歩 ▲6六銀 △1四歩 ▲5六銀 △7三桂 ▲5七銀 △5一飛(下図)

後手としては先手の指し手に対して自然に対応していくことがポイントです。

△3二金型は守備力が高いので▲4五歩のような手に対しても△同歩と取っておけば問題がありません。

(上図からの指し手)

▲4七金 △4二金▲5八飛 △4五歩 ▲3三角不成△同 桂 ▲4五桂 △同 桂 ▲同 銀 △2九角(下図)

先手の▲5八飛に対して△4五歩と仕掛けたのが機敏な動きでした。

△4五歩に対して▲同歩は△8八角成▲同玉△5五歩(参考図)で銀をとらえて後手優勢です。

本譜も△2九角まで進み、先手の応手が悩ましいところです。

(本譜局面図再掲)

(上図からの指し手)

▲3八桂 △5五歩 ▲3七金 △3三桂▲5九飛 △4五桂 ▲同 歩 △2八銀(投了図)

まで64手で後手の勝ち

△2九角に対して▲4八飛もじっと△5五歩(参考図)と指されると先手は動かす駒が難しいです。

本譜の▲3八桂もつらい辛抱です。△5五歩~△3三桂として自然に駒得を目指すのが有利な時の戦い方です。

そして△2八銀までで先手の投了となりました。

(投了図再掲)

投了図以下

3七の金を助ける手段が難しいところです。

▲2九飛も△同銀成▲1七香△2八成銀で先手は指す手に困ります。

この将棋の総棋譜は以下から

四間飛車大山流△4一金型のまとめ

  • ▲4六銀型には▲3五歩に対して△4五歩と反発するのが常とう手段です。以下△4四角~△3五角がポイントです。
  • ▲4六歩型には本記事では△3二金で対抗しました。以下木村美濃に組んでバランスを保ちます。
  • △3二金型は守備力が高いので居飛車側としても手が出しにくい将棋です。振り飛車側からチャンスとみたら仕掛けるのも面白いでしょう。

参考書籍

参考棋譜

https://shogi.io/kifus/236701

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