はじめに
実戦の終盤を題材として寄せの手筋を学んでいきます。
序盤戦術や戦法は目まぐるしく進歩し結論も変わっていきますが、終盤の寄せの手筋は今も昔も変わらない面が多いです。
終盤力を向上させて勝率アップを目指しましょう。
第一回 寄せの手筋の問題集
問題形式となっています。「以下の進行」の部分をクリックorタップすると解答を見ることができます。
また、「説明」の部分をクリックorタップするとその問題の概要が表示されます。
問題その1
開始日時:2013/04/23 06:30:00
棋戦:wdoor+floodgate-900-0+ponanza_expt+PuppetMaster+20130423063000
先手:ponanza_expt
後手:PuppetMaster
▲6二角△9三玉と進んだ局面です。
ここで寄せの基本テクニックがあります。
▲9五歩(下図)が端玉には端歩の寄せの手筋です。
端まで追い詰めた玉に対して、端歩を突く手が決め手となる場合はとても多いです。
▲9五歩に対して△同歩は▲9四歩△同玉▲9五香△8五玉▲8六金△7四玉▲7三角成(参考図)までの詰みとなります。
また▲9五歩に△8七飛成と攻めてくるのも以下、▲同玉△7五桂▲7六玉△8七銀▲7五玉△7四銀▲同玉△8三銀▲8五玉(参考図)と進んで凌いでいます。
本譜は▲9五歩に対して△6一桂としましたが以下、▲9四歩 △8三玉▲8四金 △7二玉 ▲7三桂成 △同 桂 ▲同 金 △6一玉 ▲6三金(途中図)
△6四銀 ▲5三桂 △同 銀 ▲同角成(下図)と進んで後手玉に必死が掛かり先手玉に詰みがないので先手の勝ちとなりました。
問題その2
開始日時:2013/08/06 08:00:00
棋戦:wdoor+floodgate-900-0+NineDayFever_XeonE5-2690_16c+ponanza-990XEE+20130806080000
先手:NineDayFever_XeonE5-2690_16c
後手:ponanza-990XEE
NineDayFever_XeonE5-2690_16c vs. ponanza-990XEE (2013-08-06 08:00)
もう一押しで居飛車穴熊を攻略できます。
まずはこの一手から。
▲3三銀(途中図)
△3二金 ▲2二銀打 △同 金 ▲3一龍 △3三金 ▲2二飛(下図)と進みました。
現状、先手玉は後手の持ち駒が①金二枚②金一枚銀一枚という条件の場合にトン死してしまいます。
また▲4八角として金を一枚手駒にできるのも大きなポイントです。
まずは▲3三銀として拠点を作ります。
△同桂は▲3一龍以下詰みなので△3二金と受けますが、そこで▲2二銀打 △同 金 ▲3一龍がうまい寄せ方です。
後手は△3三金しかありませんが、▲2二飛が好手です。(局面図再掲)
▲2二飛に対して△3二銀打と受けると▲4八角(参考図)が次の▲2一飛成△同銀▲2二金の詰みをみた必死となります。
本譜は▲2二飛に対して△3八金▲同玉△7四馬としましたが▲4九玉以下先手の勝ちとなりました。
問題その3
開始日時:2018/10/29 10:00:00
棋戦:wdoor+floodgate-300-10F+illqha1.1_i9-7920X_12c+tenuki+20181029100001
先手:illqha1.1_i9-7920X_12c
後手:tenuki
▲6一飛成に△7二金と受けた局面です。
基本の寄せの手筋があります。
▲8四香 △8三歩 ▲同香不成 △同 金 ▲7二銀(下図)と進みました。
まず▲8四香が寄せの第一歩です。
△8三歩▲同香不成に△同玉は▲8一龍 △8二金打 ▲9五桂 △8四玉 ▲7六銀(参考図)で寄り筋です。
△8一金は▲7五銀△同玉▲8五金までの詰みとなります。
本譜は▲8三香不成に△同金と取りましたが、▲7二銀が腹銀の寄せで後手玉が必至となります。
第一回 寄せの手筋のまとめ
- 端玉には端歩は応用範囲の広い基本的な寄せの手筋です。
- 自玉の安全度も考えた寄せは大事です。駒を取って寄せに必要な攻め駒を補充することができるかもよく見ましょう。
- 腹銀の寄せも必須手筋です。銀が上下から相手玉を包み込むので相手からすると非常に受けにくくなります。
参考書籍
参考記事
金子タカシ著「寄せの手筋200」は終盤力養成に最適な一冊です