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第四回 対矢倉左美濃急戦の攻めをつなげる問題集

はじめに

第四回目の対矢倉左美濃急戦の問題集をはじめていきたいと思います。

前回記事

第三回 対矢倉左美濃急戦の攻めをつなげる問題集

第四回 対矢倉左美濃急戦の問題集

説明

問題形式となっています。「以下の進行」の部分をクリックorタップすると解答を見ることができます。

問題その1

https://shogi.io/kifus/236823

開始日時:2018/12/22 10:01:24
棋戦:R対局(早指)
先手:JKishi18gou(3218)
後手:後手

△5五歩と銀取りに歩を突いた局面です。

ここで切り返しがあります。

▲9七桂(下図)が角筋を通しつつ飛車取りに桂を跳ねるこの際の好手です。

以下、△8二飛には▲2三歩△1三角▲5五銀で攻めがつながります。

本譜は▲9七桂に対して△2四歩としましたが、以下▲8五桂△2五歩▲8二飛(下図)と進んで先手勝勢です。


問題その2

https://shogi.io/kifus/236824

開始日時:2018/12/22 15:56:26
棋戦:R対局(早指)
先手:JKishi18gou(3218)
後手:後手

▲4四歩に△同銀右と取った局面です。

うまい継続の攻めがあります。

▲3四歩 △同 金 ▲5四銀(下図)が相手の守りの金を斜めに誘う上手い攻め方です。

以下①△4三歩には▲4五桂△2二銀▲4四角△同歩▲5三桂成(参考図)で攻めが決まります。

また、②△6四角も▲4五歩△5三銀▲同銀不成△同角▲4四歩△4二歩▲4五桂(参考図)で先手優勢です。

本譜は▲5四銀に△3六歩としましたが以下、▲4三歩△3七歩成▲4二歩成△同金▲4四飛△同金▲同角△同銀▲7一角(下図)と進み先手の攻めが決まりました。

問題その3

https://shogi.io/kifus/236825

開始日時:2018/10/05 15:15:05
棋戦:R対局(早指2)
先手:先手
後手:JKishi18gou(3220)

△6四歩に▲4八銀としたところですが、これはやや危険な駒組みでした。

△6五歩(下図)がチャンスを逃さない一手です。

以下▲7八金には△6六歩▲同銀△8六歩▲同歩△同飛▲8七歩△7六飛▲7七銀△7四飛(参考図)で後手が歩得となり指しやすい将棋です。

本譜は△6五歩に▲同歩と取りましたが、△8六歩▲同歩△同飛▲7八金△7七角成▲同桂△6七銀(下図)と進んで後手の攻めが決まりました。

Check

▲7八金と上がっていない段階で▲4八銀としてきた場合は仕掛けるチャンスです。

問題その4

https://shogi.io/kifus/236826

開始日時:2018/09/17 00:40:41
棋戦:R対局(早指2)
先手:JKishi18gou(3248)
後手:後手

△2三金と上がったところです。ノーヒント問題。

▲3四飛 △同 金▲2三銀(下図)で後手がしびれています。

▲2三銀の局面で△2九飛のような手が王手になればよいのですが、先手陣は左美濃のため王手が掛かりません。

よってこのような飛車を切っていく攻めが成立するのです。

問題その5

https://shogi.io/kifus/236827

開始日時:2016/04/25 19:29:56
棋戦:将棋ウォーズ
先手:先手
後手:2016Pona

いよいよ対矢倉左美濃急戦の最後の問題です。

この将棋は今までも何度か紹介してきましたが、左美濃急戦を象徴するかのような指し方なので再度問題にしました。

9手先が読めれば完璧です。

△8六歩 ▲同 歩 △8五歩 ▲同 歩 △同 飛 ▲8六歩 △5七桂不成▲同 金 △2五飛(下図)と飛車を転回させたのが見事な手順でした。

以下は△2九飛成が受けにくく後手勝勢です。

手順中、▲8六歩に代えて▲5五歩は△8八飛成▲同金△2五角(参考図)で決まります。

見事な飛車の転回で、ponanzaの将棋の中でも印象に残っている将棋です。

矢倉は5手目▲7七銀の時代へ

ここまで4回に渡って対矢倉左美濃急戦の将棋を問題形式で見ていきました。

攻め方のパターンはある程度決まっているので、局面に応じて攻め方を選んでいけば勝ちやすいと思います。

さて、対矢倉左美濃急戦は5手目▲6六歩からの矢倉に対して有力でした。(下図)

この出だしからの矢倉の勝率が落ちたため、先手も矢倉を目指す場合は5手目に▲7七銀と上がる将棋がほとんどになりました。(下図)

上図の場合は後手としても急戦ではなく持久戦で対応するか、それとも急戦にこだわるかは人によるところです。

また、先手から▲6六銀と上がって急戦に出る展開もあり、作戦の分岐は膨大なものとなります。(下図)

2019年も矢倉戦はプロ公式戦で指されていくことでしょう。

その動向に注目していきます。

参考書籍

この戦法を定跡形式で学びたい人に最適な2冊です。

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