はじめに
対振り飛車の金無双急戦はponanzaが2016年ごろから多用していました。(下図)
参考記事
参考 対四間飛車ponanza流金無双急戦△6四銀型その1 コンピュータ将棋研究Blog今回からこの対振り飛車金無双急戦の将棋を問題形式で学んでいきたいと思います。
対振り飛車金無双急戦の問題集
問題形式となっています。「以下の進行」の部分をクリックorタップすると解答を見ることができます。
問題その1
開始日時:2018/02/01 11:01:08
棋戦:R対局(早指)
先手:先手
後手:JKishi18gou(3129)
まずは基本問題から。
△7七歩(下図)が焦点の歩で手筋です。
以下①▲同飛には△8八飛成、②▲同角には△8九飛成、③▲6八飛には△7六飛があります。
本譜は▲9七角としましたが以下、△8九飛成▲8八飛△同龍▲同角△7八歩成▲9七角△8九飛(下図)と進み後手勝勢です。
問題その2
開始日時:2018/02/08 23:26:27
棋戦:R対局(早指2)
先手:先手
後手:JKishi18gou(3125)
先手が▲7三銀とした局面です。
飛車が助からないようですが、ここで後手に切り返しがありました。
△5七桂不成(下図)がこの瞬間のタイミングを逃さない好手です。
▲同金は△6九飛成があります。
本譜は▲6四銀成としましたが以下、△6九桂成▲7四成銀 △5九成桂 ▲同金引 △5七角(下図)と進み後手大優勢です。
問題その3
開始日時:2018/03/21 20:18:27
棋戦:R対局(早指)
先手:先手
後手:JKishi18gou(3204)
△7六歩に▲7八飛とした局面です。
次の一手は重要です。
△5五角(下図)がこの局面での重要な一手です。
△7七歩成と△4六角の両狙いで攻めていきます。
本譜は△5五角に対して▲7六銀としました。
△同銀ならば▲7三歩として勝負する意味です。
後手は▲7六銀に△4六角(下図)と出ました。
△4六角に▲3七桂は以下、△7七歩▲同飛△5五角▲7九飛△7六銀▲7三歩△8二飛▲7六飛△8五飛(参考図)と進んで後手が指しやすい将棋です。
この後、後手からいきなり△3七角成として寄せにいくような筋もあります。
本譜は△4六角に対して▲3七銀としましたが以下、△同角成▲同玉△7六銀▲7三歩△7七歩▲7二歩成△7八歩成(下図)と攻め合って玉形の差で後手優勢です。
問題その4
開始日時:2018/03/23 10:05:27
棋戦:R対局(早指2)
先手:先手
後手:JKishi18gou(3209)
△7三桂に▲3六歩とした局面です。
ここで意表の仕掛けがあります。
△6五桂(下図)がポンポン桂と呼ばれる仕掛けです。
▲同歩で桂損ですが、以下△7七角成▲同桂△8六歩▲同歩△同飛(下図)と進んで8筋を突破することができます。
上図から▲8八歩は△7九角で後手有利です。
本譜は▲5五歩としましたが、△7五歩▲5四歩△同銀▲6六桂△5五銀▲7三角△4四銀(下図)と進んで後手が指しやすい形勢です。
後手は△7六歩が楽しみです。
なお、問題図の前の局面で後手の△9四歩は必要な一手です。
仮に△9四歩が入っていない段階で△6五桂と跳ねると▲9五角(参考図)という手があり、先手有利です。
問題その5
開始日時:2018/03/23 18:00:44
棋戦:R対局(早指2)
先手:先手
後手:JKishi18gou(3209)
ここから一気に決める手順があります。
数手先まで読んでみてください。
△3六桂 ▲1八玉 △7七飛成 ▲同 角 △4九龍 ▲同 銀 △3九角(投了図)まで58手で後手の勝ちとなりました。
まず△3六桂が寄せの第一歩です。▲1八玉と寄った局面は先手から次に▲2二角成があります。
その筋を防ぎつつ持ち駒に角を補充する△7七飛成が好手です。
▲同角に△4九龍▲同銀△3九角が決め手となりました。
先手玉は必至となっており、適当な受けがありません。
対振り飛車金無双急戦の作戦パターン
・△6四銀急戦
金無双急戦で最も多いのがこの△6四銀急戦です。
・△6五歩早仕掛け
△6五歩早仕掛けも指されています。
・ポンポン桂
ポンポン桂も面白い構想です。△9四歩は忘れないようにしましょう。
・山田定跡風
▲7八銀型に対して△7五歩~△6四銀と攻めていく指し方もあります。
・鷺宮定跡風
▲7八銀型に対して△7二飛として△7五歩から攻めていく指し方もあります。
・棒銀
棒銀もないことはないですが、かなり少数派です。
金無双急戦もelmo囲い急戦のようにいろいろな作戦と組み合わせて指してみると面白いでしょう。
第二回に続きます。