はじめに
対矢倉左美濃急戦は5手目▲6六歩からの矢倉への対抗策として非常に優秀な戦法です。
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ただ、優秀な戦法ではあるものの攻め筋のパターンを数多くマスターしておかないと、攻めをつなげることができないケースもあります。
よって今回の記事では対矢倉左美濃急戦に関する将棋を題材として問題形式で攻めパターンを学んでいきたいと思います。
対矢倉左美濃急戦の問題集
問題形式となっています。「以下の進行」の部分をクリックorタップすると解答を見ることができます。
問題その1
開始日時:2018/02/09 09:03:13
棋戦:R対局(早指)
先手:先手
後手:JKishi18gou(3125)
先手が▲7五歩として後手の桂の活用を防いでから▲6九玉と寄った局面です。
ここから5手先まで読みます。
ここから△6五歩 ▲同 歩 △同 銀 ▲6六歩 △同 銀(手順最終手)と進みました。
△6五歩から6六の地点に向けて強引に攻めていくのが強手順です。
手順最終図以下、▲同銀 △同飛 ▲同金 △同角と進み、そこで▲7七銀には△2七銀(参考図)として後手の攻めが続きます。
このように対矢倉左美濃急戦では左美濃の低い陣形から飛車を切り捨てて攻め込んでいく順は頻出します。
※この将棋の棋譜は以下から
問題その2
開始日時:2018/02/18 00:13:35
棋戦:R対局(早指)
先手:先手
後手:JKishi18gou(3159)
先手が▲8七歩と飛車取りに歩を打った局面です。
ここで飛車を逃げるようではいけません。攻めの継続の手段は?
△7六歩(下図)が継続の攻めの手段です。
以下、▲8九桂には△7七歩成▲同桂△同銀成▲同銀△5六飛(手順最終手)と進んで後手優勢です。
本譜は▲8六歩 △7七歩成 ▲3五歩 △7八と ▲同 玉 △6五桂(手順最終手)と進んで後手優勢となりました。
※この将棋の棋譜は以下から
問題その3
開始日時:2018/02/18 02:46:48
棋戦:R対局(早指2)
先手:先手
後手:JKishi18gou(3159)
先手が▲7五歩と金取りに歩を打った局面です。継続の攻めを考えてください。
ここから△6六歩 ▲7四歩 △6七歩成 ▲同 銀 △7六歩 ▲7三歩成 △6七飛成▲同 金 △7七歩成(手順最終手)と一直線に攻め合って後手優勢です。
やはり陣形の低い左美濃の構えを生かして、飛車を取らせても攻め込めれば勝ち筋になります。
※この将棋の棋譜は以下から
問題その4
開始日時:2018/02/18 04:31:39
棋戦:R対局(早指)
先手:先手
後手:18gou
後手が△4四角~△2六歩としているのが特徴的な局面です。ここから3手読んでください。
ここから△6五飛 ▲3六歩 △2五飛(手順最終手)が見事な飛車の転回です。
次の△2七歩成がわかっていても受けがない局面です。
以下は▲3七桂 △2七歩成 と進み、そこで▲2五桂△2八との飛車の取り合いは陣形の差で後手が有利です。
※この将棋の棋譜は以下から
問題その5
開始日時:2018/02/27 15:36:11
棋戦:R対局(15分)
先手:先手
後手:JKishi18gou(3139)
▲6六同銀とした局面です。やはり低い陣形を生かした攻め筋があります。
ここから△8六飛 ▲同 歩 △3九角(手順最終手)が継続の攻めです。
以下▲6八飛 △6六角引成▲同 金 △5七銀として後手の攻めが成功となりました。
多少強引な攻めでも陣形差で成立する手順も多いです。
※この将棋の棋譜は以下から
問題その6
開始日時:2018/03/12 21:54:08
棋戦:R対局(15分)
先手:先手
後手:JKishi18gou(3156)
先手が▲4六角と桂取りに角を引いた局面です。
部分的にはよく出てくる指し方で桂を守ります。
ここから△8六飛▲8七歩 △8三飛(手順最終手)として一歩を取りつつ桂を守ります。
以下は▲6四歩△5四銀▲5五歩に△6五歩と強く攻め合って後手有利となりました。
※この将棋は棋譜は以下から
問題その7
開始日時:2018/04/03 19:14:56
棋戦:R対局(早指2)
先手:先手
後手:JKishi18gou(3238)
先手が▲5八飛と回って次に▲5五歩を狙った局面です。ここから後手の切り返しの手段があります。
ここから△4四歩▲5五歩 △4五歩(手順最終手)として歩を突き違えるのが好手順です。
以下▲5四歩 △4六歩と進み、そこで▲5三歩成は△4七歩成と攻め合って陣形差で後手有利です。
実戦は△4六歩に▲同歩と取りましたが、後手も△5四歩と手を戻しておいてやはり陣形差で後手有利となりました。
※この将棋の棋譜は以下から
問題その8
開始日時:2018/06/12 14:13:23
棋戦:R対局(15分)
先手:先手
後手:JKishi18gou(3227)
先手が▲8七歩と飛車取りに歩を打った局面です。ここから基本的な攻め筋があります。
△6六飛 ▲同 金 △7七歩(手順最終手)が3手一組の好手順です。
以下、
①▲6七金上には△6八歩▲同玉△6六角▲同金△7八金
②▲7七同金には△同桂不成▲同角△7六歩▲同金△6七銀でそれぞれ後手有利です。
※この将棋の棋譜は以下から
問題その9
開始日時:2018/09/07 12:47:52
棋戦:R対局(早指2)
先手:JKishi18gou(3247)
後手:後手
決め手があります。後手陣の弱点をつきます。
▲8六飛(下図)で後手の投了となりました。
▲8三飛成がわかっていても受けにくい形です。△8四歩と受けると以下▲7五歩△同飛▲8四飛でやはり8筋を突破することができます。
※この将棋の棋譜は以下から
問題その10
開始日時:2018/11/09 03:52:08
棋戦:R対局(15分)
先手:先手
後手:JKishi18gou(3239)
先手が自陣にあまり手を入れずに早めに動いてきた局面です。
先手陣がしっかりしていないうちに攻め掛かります。
△6五歩 ▲同 歩 △8六歩▲同 歩 △7七角成 ▲同 桂 △8六飛(手順最終手)と後手が攻めていきました。
角銀交換の攻めですが、敵陣を突破できそうなのと△3三歩と歩を打てば自陣が固くなるので攻めが成立しています。
相手の動きに応じて戦い方を変えていきましょう。
※この将棋の棋譜は以下から
対矢倉左美濃急戦のまとめ
- 対矢倉左美濃急戦は左美濃の低い陣形をいかして飛車を切っていく攻めが魅力的です。
- 飛車を縦横無尽に活用し、相手をほんろうします。
- 陣形差で勝っていると判断した場合は積極的に攻め込んでいきましょう。
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